火災保険の保険金額は、どのくらいに設定すればいいですか?

建物や家財の価値は、時間の経過により劣化し減少していきます。新築時や購入時の費用から使用による損耗を差し引いた金額を「時価」と言います。これに対して、同じ建物や家財を現在の市場で再び作り直す、または購入するために必要な金額を「再調達価額」と呼びます。「時価」は、「再調達価額」から減価額を引いた値になります。火災保険では、建物や家財の価値を「時価」または「再調達価額」に基づいて算定し、保険金額を設定します。

「時価」を基準に保険金額を設定する場合

火災保険では、所有する建物や家財の時価を基に保険金額を設定することが基本です。保険金は、時価に対する保険金額の割合に応じて支払われるため、時価と同額で保険金額を設定しないと、損害額に見合った保険金が支払われないことがあります。例えば、10年間住んだ建物が焼失した場合、その建物の時価は同等の建物を再建するための費用から10年分の使用による減価を差し引いた金額になり、この額に基づいて保険金が支払われます。したがって、この場合には保険金のみでは同じ建物を新築することができないことがあります。

「再調達価額」を基準に保険金額を設定する場合

保険金額を時価に基づいて設定すると、保険金では同じ建物を再建築したり購入することはできません。
保険金だけで再建築や買い替えを希望するなら、保険金額を再調達価額で設定することが必要です。

(出典:日本損害保険協会)