若者に学んでほしいお金の話

昔は塾に通い受験を突破し、大学に進学することで、優良企業に就職し一生安泰な生活を送ることができました。
しかし、現代においてはそのような人生設計が通用しづらくなっています。特に、社会保障制度の縮小がその大きな要因です。

政府はNISAや確定拠出年金制度を導入し、「貯蓄から投資」への移行を促しています。これは将来的に年金制度がかなり限定的になることを見越しての対策です。
しかし、若年層の投資意識は依然として低く、行動が遅れています。

この投資への無関心は、知識不足や誤解が大きな要因です。勉強や仕事に励む若者には、お金に関する基礎知識を身につけ、資産形成に取り組むことを強くお勧めします
。アインシュタインが「20世紀の最大の発明は複利である」と言ったように、複利効果を最大限に引き出すためには、「定額購入」「長期」「分散」という三つの原則が不可欠です。

具体的に見てみましょう。「定額購入」の効果を理解するために、ガソリンの購入方法を例にとります。価格が変動するガソリンを、Aさんは毎回6,000円分購入し、Bさんは満タンで60リットル購入する方法をとります。ガソリン価格が120円/リットル、90円/リットル、150円/リットル、200円/リットルと変動した場合、Aさんの平均購入単価は129円、Bさんは140円となり、Aさんの方が安くガソリンを購入できることがわかります。これは「定額購入」が高価格時には少量、低価格時には多量を自動的に購入するためです。この原則は投資にも応用でき、定額での投資が有利です。

さらに、「長期」と「分散」の重要性も無視できません。ウオーレン・バフェット氏が、自身の資産の9割をインデックス・ファンドに投資するように指示していることからもわかるように、長期的な投資が安定したリターンをもたらします。
過去200年の米国株の複利実質利回りは年率約7%で、20年単位で見てもほぼ例外なく同様のリターンが得られることが証明されています。

仮に20歳の若者が、毎月3.3万円を「定額購入」「長期」「分散」の原則で45年間運用した場合、
65歳時点で約1億円の資産が形成できます。社会保障制度が厳しくなる中で、多くの若者が「お金」に関する知識を深め、積極的に投資を始めることが求められています。